お知らせ

第9回藝文京コンサート「ピアノの時間」開催のお知らせ

2025年11月17日(月)

古典調律と平均律の聴き比べ ―公募によるコンサート

(公財)京都市芸術文化協会では、「音楽の裾野を広げ、新たな聴衆と出会うこと」を目的として、「藝文京コンサート『ピアノの時間』」を開催しています。

 普段は意識することのないピアノの”音”が、時代と共にどのように変化してきたのかを、聴き比べ、体感していただくのが今回のテーマです。

平均律現在主流の音律)

現在世界中で使われている、どの調でも均等に響く調律です。

キルンベルガー第3調律古典音律

ベートーヴェンなどの時代に使われていた、調によって響きが異なる古典的な調律です。

 この異なる二つの音の世界を、京都芸術センターに受け継がれたペトロフピアノとカワイピアノの音色で聴き比べます。​調律の知識がなくても、また、「クラシックは聴き慣れない」という方も大歓迎です。ぜひ、「調律」に注目して演奏をお楽しみください。

 

日時 2025年11月30日(日)14:00 – 16:00(13:30 開場)

会場 京都芸術センター 講堂

申込等 入場無料・申込不要(先着順)

プログラム 平均律と古典調律の聴き比べコンサート(公募による演奏会)

​[調律師によるレクチャー](講師:山本宣夫)14:00-14:30

調律・修復師の山本宣夫氏が登壇。平均律と古典調律の具体的な違いを分かりやすく解説します。

​[公募演奏会で実践]14:45-16:00

公募で選ばれた皆様が、それぞれの調律で名曲を演奏します。レクチャーで学んだ知識を元に、響きの違いをぜひ体感してください。

飯田 円 

J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集第1巻より第1番ハ長調のプレリュード、第14番嬰ヘ短調のフーガ

音田 真陽

W.A.モーツァルト ピアノソナタ第2番 ヘ長調 K.280 より第2楽章

三品 拓人

L.v.ベートーヴェン ピアノソナタ第14番「月光」嬰ハ短調 より1楽章

山本 紗世

F.シューベルト 3つのピアノ曲(即興曲)第3番 ハ長調, D946

中西 友希

J.ブラームス 6つの小品 間奏曲 Op.118-2 イ長調

森口 由香

F.ショパン 即興曲 第3番 変ト長調 Op.51

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ドレミはどのようにして生まれたのか?

 音律の始まりはピタゴラス(紀元前580年頃~紀元前500年頃)が考案したものであるといわれています。ピタゴラスの定理で有名なピタゴラスは、釈迦や孔子とほぼ同じ時代の人です。

 ある日、街を歩いている時にたまたま鍛冶屋の前を通りかかり、焼けた鉄の塊を槌で打つ音が、叩く位置によって音の高さが違うことに気づいたことが、ピタゴラス音律が生まれるきっかけになったといわれています。

 ヨーロッパにおける古典調律のうち、ルネッサンス時代までは、ピタゴラス音律や、アロンのミーントーンなど数限りなく存在し、それぞれ書かれた作品と深い関連性がありました。いわゆるミーントーンと呼ばれた音律では、ごく限られた調では非常に美しく透明に響く一方で、その他の調では、まったく使えないほど濁った不協和音になってしまうという特徴がありました。

 その後、このミーントーンを改良した音律がいくつか考案されました。そのうち現在よく知られているものには、ベルクマイスター、キルンベルガー、ジルバーマン、ラモーなどの音律がありますが、歴史的に最も古いものは、純正律を組み合わせたベルクマイスター音律で、全ての調がほどよく響き、しかも非常に明るいものや、固有の性格が生じてきます。

 現在の平均律は、隣り合う鍵盤の音の間隔を均等にすることで、どの調でも同じように演奏できるようにしたものです。

 今回、ベートーヴェンの音楽理論に大きな影響を与えたキルンベルガー(1721-1783)が考案した音律、キルンベルガー第Ⅲ法を採用することにより、平均律で調律されたピアノとは異なる響きと色彩を感じ取ることができるでしょう。

 今日の平均律で調律されたピアノ音楽と聴き比べることで、バッハ、ベートーヴェンをはじめとする大作曲家たちが頭に描いたハーモニーを実際に体験し、彼らの楽曲の性格や内容が、音律と深く結びついていることをよりよく理解する一助となればと思います。(山本宣夫)

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山本 宣夫

ピアノ調律・修復家

1948年大阪府堺市生まれ。1974年、ピアノ調律・修復家として独立。その後、ベーゼンドルファー社(オーストリア)での修行を経て、1989年から2019年までオーストリア国立ウィーン芸術史博物館古楽器部門で日本人初の客員フォルテピアノ修復家となった。1998年から、収集したフォルテピアノを「スペース クリストーフォリ堺」で公開するとともにコンサートやレクチャーに提供。1999年には、1726年製フォルテピアノの忠実な復元に成功し、「ユーロピアノ・コングレス2000」(イタリア)、国立ウィーン芸術史博物館等で展示およびコンサートが行われ、世界的な評価を受けた。大阪芸術大学音楽学部客員教授。2020年、第7回JASRAC音楽文化賞受賞。

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クレジット

主催 京都市/公益財団法人京都市芸術文化協会

 

問合せ先

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